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昼休み、構内のカフェは
昼食を求める学生達で
賑わっていた。
「それで、どうなの蛍、例の"彼氏"とは。」
ニヤニヤ笑う唯に蛍は全力で否定する。
「ちょっと、だから、彼氏じゃないって。」
「でも、中学生の時から蛍のことを
気にかけて助けてくれてたんでしょ?
赤の他人にそこまでするなんて、
絶っっっ対蛍に気があるね。間違いない。」
「もう!結城さんはそんな人じゃないから!」
そう言いつつ、蛍は自身の携帯の
メッセージを確認する。
結城からの返信はない。
それどころか3日前に送ったメッセージにも
"既読"が付かない。
1週間以上の長期航海に
出る場合、結城は必ず蛍にそのことを
連絡してくれるのだが、今回はそれもない。
(結城さん……今、どうしてるかな…?)
蛍は空を見上げ、連絡の取れない
"彼"を思いやった。
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