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午前8時15分、いずも幹部全員に
『多目的室集合』の号令がかかった。
「本日08:05、自衛艦隊司令部より、
第一護衛艦隊群に出動命令が下った。
言うまでもないと思うが、目的地は小笠原諸島。
我々に課せられた任務は、小笠原諸島近海の
航空優勢並びに海上優勢の確保となる。」
「艦長、防衛出動がまだかかって
いませんが……」
「官邸でかなり揉めているらしい。
現時点では海上警備行動での出撃となる。
出港は2時間後。それまでに各自
出撃の準備を整えておくように。」
出撃―――
つまり、艦隊はこのまま太平洋を南下し、
小笠原諸島海域へ向かう。
そこには硫黄島を爆撃し、父島と母島に
上陸し、海自の護衛艦を無警告に沈めた
血気盛んな中国海軍がてぐすね引いて
待ち構えている。
これは訓練ではない。
ゲームでもない。
現実に起こっている、戦争だ。
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