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2時間後、艦長と航海長指揮の元、
いずもは"もやい"を放った。
タグボートに引き出され、ゆっくりと
逸見岸壁を離岸する。
『総員、第一甲板、登舷礼』
艦長のハリのある声が艦内に響く。
出港に関わる第一分隊と第二分隊の
一部の隊員を除く全ての隊員が
いずもの最上甲板に整列した。
乗員たちが陸に向けて敬礼する。
横須賀基地周辺にはマスメディアは
もちろん、多くの住民も集まり、
不安と期待に顔を染めていた。
やるべきことはすべてやった。
出すべき手紙は基地のポストに投函した。
最後に蛍の元気な声も聞けた。
もう思い残すことは何もない。
国民、政治家、ジャーナリスト、
そして隊員たち。
様々な人々の思惑を乗せて、
いずも以下第一護衛艦隊群8隻は
海上自衛隊横須賀基地を出撃した。
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