出撃の時

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ピロリ~ン!ピロリ~ン! 断続的に鳴り続ける 携帯の音で、蛍は再び目を覚ました。 携帯の画面の時計は午前10時を表示している。 『蛍!テレビ見てる!?』 『ヤバイって!!早くテレビ見て!』 唯からのメッセージが凄まじい 件数になっている。 大学のゼミや部活のグループチャットも 荒れに荒れていた。 「アエスタ、テレビ点けて。」 『カシコマリマシタ、蛍様。』 アエスタの愛称で呼ばれる AIテレビコントローラで テレビのスイッチを入れ、 蛍は絶句した。 『先程からお伝えしておりますように、 本日午前4時頃、中国海軍空母部隊が 小笠原諸島硫黄島を空襲、海上自衛隊の 護衛艦1隻を撃沈し、父島、母島に 上陸しました。これに対し政府は 海上自衛隊空母艦隊の出動を決定しました。 既に防衛大臣より自衛隊全部隊に海上警備行動が ・・・』 硫黄島空襲、護衛艦撃沈、 上陸、空母艦隊の出動―――― "戦争"の二文字が蛍の頭を 駆け巡る。
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