出撃の時

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旗艦であるいずもを中心に 輪形陣と呼ばれる円形の陣形をつくる。 その先頭、いずもからちょうど10kmを 先行するのがあさひ型護衛艦1番艦のあさひ。 あさひ型護衛艦は海上自衛隊の機動打撃艦隊である 護衛艦隊群用の護衛艦としては最新鋭で、 32セルのVLS:垂直ミサイル発射機を有し、 64本のESSM対空ミサイルと16本の07式対潜ミサイルを搭載する。 対潜水艦戦闘能力に優れ、防空能力も 高い部類に属する。先頭を行くのに 適した艦と言える。 その両翼後方に展開するのが あきづき型護衛艦2番艦てるづきと たかなみ型護衛艦1番艦たかなみである。 あきづき型護衛艦はあさひ型より ひとつ前の護衛艦であさひ型と比べて 対空能力に重点を置いて設計されている。 搭載されたFCS-3対空レーダーと それに連携された対空戦闘システムは 一度に16もの飛行物体を同時に撃墜する 能力を持つ。 VLSはあさひ型と同じ32セルだが、 ミサイルはあさひ型と少し異なり、ESSMに 加え、RIM-4,16発を搭載している。 RIM-4は海上自衛隊初の国産対空ミサイルで あり、陸上自衛隊の12式地対空誘導弾改を 原形として開発された。 有効射程は160kmに及び、ARH、 つまりアクティブレーダーホーミングで ミサイル自身の弾頭に取り付けられたレーダーが 目標を探知し、自ら目標に突入してくれる。 これにより、地球の形状上、水上艦艇では 探知の難しい、海面ギリギリを飛翔し 水平線から飛び出してくる対艦巡航ミサイルの 撃墜も可能となった。
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