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出撃していくいずもの映像を
目にしてからというもの、
蛍はテレビの前に釘付けになっていた。
どのテレビ局も番組を変更し、
中国軍の侵攻作戦と自衛隊の出撃の
報道一色である。
『では先生は今回の中国軍による
侵攻作戦の原因は日本政府にあると?』
『そうです!いずもなどという憲法違反も
甚だしい空母を作って中国を挑発したこと。
これに尽きます!撃退作戦なんてもっての他!
直ちに日本政府は中国に謝罪し、
いずもはスクラップにすべきです!』
頭頂部の薄くなった薄縁メガネの年配の
男が口泡を飛ばして力説している。
蛍は気分が悪くなり、アエスタで
テレビのチャンネルを変えた。
『中国軍の小笠原諸島侵攻に伴い、
政府は海上警備行動を発令したわけです
けれども、仮にこのまま自衛隊の空母艦隊が
小笠原諸島周辺まで到達した場合、
中国軍と戦闘になる可能性はどのくらい
ありますか?』
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