出撃の時

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今度のチャンネルは先程のチャンネルより 数倍マシなようだ。 50代半ばの女性アナウンサーの質問に 銀縁メガネにスーツを身に付けた専門家らしき 男性が答える。 『中国海軍は既に海上自衛隊の 護衛艦あさぎりを無警告に撃沈して いますからね…… 自衛隊に対する攻撃のハードルは限りなく 低くなっていると言っていい。 十中八九、戦闘になるでしょう。 つまり、82年続いた"戦後"が終わると いうことです。』 『もし自衛隊の空母が中国空母と 戦闘になった場合、自衛隊側の 損害は?』 『う~ん、自衛隊は確かに精強では ありますが、自衛隊の空母いずもと 中国の空母広州では搭載している戦闘機、 いわゆる艦載機の数が全然違うんですね。 いずも型はF35Bという最新鋭のステルス戦闘機が 12機。それに対し中国空母広州は J15Dという戦闘機が48~52機搭載されていると 考えられます。いくら戦闘機に性能の差が あると言えど、機数に4倍もの差があると 自衛隊側のとれる戦術は相当制約される と見ていいでしょう。』
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