悪化する状況

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全く予想だにしなかった一報に 総理官邸危機管理センターは 蜂の巣を突っついたどころではない 騒ぎになっていた。 「いったいどうなっているんだ!」 「駆逐艦、フリゲートを含む中国海軍の 大艦隊が尖閣諸島に接近、 2分ほど前に領海に侵入したとのことです!」 「総理!このままでは尖閣諸島まで 中国に奪われてしまいます!」 中国軍による硫黄島空襲の一報の 際は部下の混乱に苛立っていた江本総理だが、 現在は完全に落ち着きを取り戻していた。 「落ち着け。外務大臣、中国はなんと 言っているんだ?」 「はい、中国大使館は『本国からの 指示が来ていない以上、何もコメントする ことはできない』の一点張りです。 王元竜国家主席からも特にコンタクトは ありません。」 「王元竜主席は暴走ぎみの海軍を 統制できていなかったと聞いている。 その実態が国内外にバレるのを避けるために 知らぬ存ぜぬを貫き通すだろうな。」 「総理!我が国の領土がここまで 荒らされているのですよ! もう防衛出動を発令し、自衛隊全部隊で 中国軍を撃退するしかありません!」
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