ぼくと彼女のスクランブル

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その時だった。 ドォン! ぼくの背後で、空気が爆ぜる。 まさか……? 振り返ると、そこには…… 彼女が、いた。 あの日、出撃した姿のままで。 あどけなく、頭をかいている。 「いやー、失敗失敗。自分で作ったワームホールに落っこっちゃったみたいでさぁ……あれ、あんた、少し老けた……きゃっ!」 ぼくは彼女を抱きしめていた。きつく、きつく。 涙が止めどなく頬の上を流れる。 「ちょ、ちょっと……苦しいよ……ねぇ……」 「……ごめん。約束、守れない」 「え、ええ?」 「駅前の店、もうとっくに潰れちゃったんだ」 「……え?」
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