hello,world! 

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 上手くいったようだ。ローズも手を振ったまま走り寄る。あまりテントから離れないよう距離を見ながら、再び「おおい!」と、訴えかけた。  ひときわ豪華な馬から、男が降りる。付いで両脇に付けた馬からも兵士が降りる。その後ろには七名の騎兵が控えていた。 「このような所でどうしましたか?」  男は怪訝な態度でしげしげとローズを観察しながら、(わずら)わしげな口調があからさまだ。  この状況、つまり、砂漠のど真ん中に、助けを求める人間がいるというのにこの態度はどうだろうか。ローズは舌打ちをした。 (ハズレか)  ローズは敢えて緊張を隠さず、同じように軍人の男を観察した。  男は大きくため息をつくと、砂よけのマスクを外しもう一度、先程と同じく、どうしました、とローズに問いかけた。  細面で糸目の男だ。お堅く神経質な雰囲気を纏っている。こいつじゃあ、駄目かもしれん。ローズは肩を落とした。  男も男でまだ黙りこむローズに、またも大きなため息を吐く。 「言葉は通じますか? 私共はこの砂漠一帯を治める国家の軍隊です。あなたはこのような場所で何しているのですか?」  男の無感情な問いに、一度テントをの方を振り向き、ローズは慎重に答える。 「助けてくれ。旅の途中、連れが病気になってしまった。早く医者に見せないともうダメかも分からん」  振り向きざま、ローズがテント越しに見たのは、ギリギリ目視できる位置に待機している隊列だ。先に進んだかのように見えた隊は列を長く組み、ローズとテントの周りを、半円を描く形で取り囲んでいる。  前にいる小隊は距離を詰め、後ろに控えていた騎兵の中には馬を降りている者もある。相手はかなり警戒しているようだ。 「意識も無い。町まで同行させてくれ。医者に見せてくれないか」 「中に人が?」  ローズが身振りでテントを改める事を勧めると、糸目の男は兵士たちに目配せ、慎重にテントに近寄った。
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