第2話 お見合い、ガリ、初夢

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「それをずっと待ち続けているのですね」 楓は分かりきった問いを口にした。 もちろんと言わんばかりに男性は力強く頷いた。 こんなに真剣に待たれるなんて、羨まし過ぎる。私を待ち焦がれてくれる人なんて居ない。 「その幼馴染の方、どちらに居るんでしょうね」 「目の前にいます」 「え?」 男性が頷くのを見て、古い記憶が蘇ってきた。 「ケンジ?」 「あー、やっぱり気づいてなかった。なんかおかしいと思ってたんだ」 「だって昔のケンジは(ガリ)ガリで、女の子みたいに華奢だったのに」 「そりゃ、好きな幼馴染に似合う男になるために鍛えまくったよ」 「え、す、好きって」 「ずっとずっと楓を探していたよ。さて、次もまた会っていただけますか。もちろん、結婚を前提にですが」 飲酒したのか、それとも秋になったのか。楓は真っ赤になって答えるのがやっとだった。 「ま、前向きに検討させていただきます」 ケンジは微笑んで答えた。 「ええ、いつまでも、お待ちしてます。出来れば早い方が嬉しいですが」 叔母さん、仕組んだな。楓は照れ隠しにそう一人つぶやいた。
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