8人が本棚に入れています
本棚に追加
夕暮れの図書館に少女は束の間の平穏に浸っていた。
このまま何もなければ…
「黄泉川さん…」
女子の声に彼女の束の間の平穏が終わった。
彼女は小さくため息をつき,
「私に何か用?」
不機嫌そうに返した私に,申し訳なく思ったのか,その子は少しおどおどしながら私を見る。
話を聞けば,同じクラスの女子に嫌がらせを受けているらしい…
そこまでは私には関係ない…
けれど…
「呪ってやる,と言われたのね?」
「うん…」
目の前の女子は露崎。
大人しそうで欲がなさそうに見えるけど…
「黄泉川さんは代々呪いを消す一族だって聞いたから…お願いっ!私を助けて」
露崎は今にも泣きそうな顔をして私に懇願する。
最初のコメントを投稿しよう!