夢は見るもの壊れるもの

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そして眠たい授業を終え、迎えた放課後、俺はカバンを教室に残しコンビニまで水を買いに出ていた。 ちょっと自動販売機より安く手に入れたくなったのだ、天然水を。 ゆっくりと高校へ戻った。靴箱の扉を勢いよくバッと開けて、上履き以外何も無いその空間に力無く扉を閉める。 なんて事ない、思ったより腕に力が入っただけなのだ。 人気の少なくなった校舎内。部活に勤しむ奴以外もう居ないんじゃ無いのだろうか。 そう思いながらもたどり着いた自分の教室。引き戸を開けたその空間は、いくつかのカバンを残しつつも閑散としており、人は居ない。 バクバクと騒ぐ胸をそのままに、自身の机に向かうもなんの変化もなく、カバンの中身も変わっていない。途端に萎れた気持ちと共にイスに座ると、ふと隣の席にチョコの箱だろう物が乗っていることに気付いた。 有名チョコ店のロゴがさり気なく存在感を主張する箱。結構大きく薄めのその箱は、あえて一度開けて中身を取り替えたのか包装紙などなくむき出しで、金色のキラめく細い糸でとじられていた。 そして俺は気づいてしまったのだ。その箱の左端上方に貼られた付箋、可愛らしい女子のピンク色のペンで書かれた文字。 『多々良(右)』 俺の時代きたあぁぁぁっ!
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