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うっし！コレは明らかな本命チョコ！きっと中身は手作りだろう。一度溶かして固めたやつでも何でもいい、このあえて有名チョコ店の箱使ってるのも、ちょっとでも美味しくイイ感じに見せるための可愛い見栄なのだきっと。
右の意味は分からないがこのチョコの置かれた席から見て俺の席は右側、きっとそういうことなのだ。何よりこのクラスで多々良は俺一人、そしてこんな珍しい苗字、学校でも俺一人だろうきっと、よって、コレはっ！俺のチョコ！！
きっと俺が教室から出てしまったから渡せずに、机の上に置いたままになっていたのであろう。
この席は姫野さんの席だ。あまり目立つような子じゃないが、背が低くて可愛らしい感じの子だ。たしか文芸部だったかな？まさか姫野さんが俺の事を思ってくれているとは。
高校2年にして初彼女。ヤバい、嬉しい。あれかな？日曜にデートとか誘われるのかな？まずはLINEからか。あーもーヤバい！
まだ姫野さんどころか誰も教室に戻ってくる気配は感じられない。見たところこの箱を開くためにはこの金糸をほどくだけだし、ちょっとだけ、先に中身見てもいいだろうか？
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