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「貴方が心配なんですよ。ただ、それだけです。どうか、坊ちゃまの為にお着替えだけでも」
深く頭を下げる谷川。
「頭なんか下げないで下さい」
言っても谷川はずっと頭を下げ続けている。
「ったく、着替えればいいんでしょ?そしたら、駅まで送ってくれます?」
谷川は、満面の笑みを見せた。
「もちろん、そのつもりでございます」
乗せられた感じもするが、年配の紳士に頭を下げ続けさせることは出来ない。
仕方がない。
厚意に甘え、服だけ乾かさせてもらうことにしよう。
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