おいでおいでをされる

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長い革張りソファに深く腰をおろした翔。長い脚を組んで翔はジッとしていた。 少しして、香織は着替えた姿を翔へ見せた。 裾にギャザーが寄ったティアードデザインの落ち着いたモカ色のワンピース。 「駄目だ」 翔にダメ出しされ、複雑な気分になる香織。 ーーー私的には、結構いいのに。コレ。 香織は、メイドに渡された服を次々に試着しては翔の前に行って見せてゆく。 何着か着終わった時には、着替えることに疲れてきてほとほとどうでも良くなって来ていた。 試着室で次の洋服に着替えてから香織はため息を連発した。 香織は、メイドに 「私の服、もう乾いたんじゃない?」 と小さな声で聞いてみる。 「どうした?」 試着室から出てこない香織を心配して声をかけてくる翔。 「開けるぞ」 返事も待たずに翔が試着室へ入ってきた。 ーーーどうせ、これもお気に召さないんでしょうよ。なんだって似合わないわよ。 香織は、ふてくされていた。 アイスブルーのウエストタックが入った膝丈のワンピース。 Vネックの襟元が大人っぽい印象だ。 「それ、いいな」 「へ?」 翔が口角を上げた。 近づいて来ると後ろから香織を柔らかくハグする。
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