おいでおいでをされる

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目の前の鏡に映るのは、イケメン社長に抱きすくめられている香織の姿だった。 ーーーなんなの?これ。 翔は、香織の右の耳に軽くキスを落とし、首筋にも後ろからキスをする。 「な!」 「綺麗だ。良く似合っているし俺好みだ」 そう言って鏡の中の自分達の方へ視線を移す翔。 「おいで」 翔の手に引かれながら試着室を出た。 広い鏡張りの部屋。たくさんの服は、もう無くなっていた。 鏡に映るのは、翔と香織だけだった。 「な?綺麗だろ?」 「な? って言われてもね。っていうか、もう服乾きましたよね。返してもらってもいいですか?」 香織は、この普通じゃない状況から早く開放されたかった。 ーーー夢よ。訳のわからないプリンセスな夢。 早く現実へ戻らないと本当に夢から出られなくなりそう。
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