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「だから、私も悪い魔女の手先のふりをした。私もここの人間たちを確保するように言われている。だから、半分こ、しましょうって言ったの」
なんだなんだぁ。モモは何を言ってんだ?
カイトは焦りまくる。
「でも、あいつったら一人も譲りたくないって言うの。じゃあ、すごい魔術を使う方がこの街の人間全部もらうのはどう? って言ったら、ノッてきた」
そこまで話されてもまだ訳がわからないカイト。
「私、化けるのがうまいのって言った。あなたみたいな冷たい魔術しか使わない妖魔は熱々のホットドックなんかに変身できないでしょうねって。そいで、あ、ごめん、絶対に無理なこと言っちゃったって言ったらすごく怒って・・・・」
カイトはさっきの大きなホットドッグを思い出した。
「あのホットドッグが妖魔だったってことか? それをモモは食った・・・・」
あり得ない。妖魔ってそんなに単純なのか。
「うん、おいしかったよ。今回、私、魔術なんて使わなかったし」
そう言って笑うモモ。
カイトは宙を見る。
そんなモモを頼もしく思う反面、この先、どんな言い合いになっても、絶対にモモには勝てそうにない自分の未来を悲観した。
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