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「まぁゆは、この町から引っ越したいの?」
しかし真友子は、引っ越すのなら別の町になるのだろうと漠然と思っていた
にすぎない。
だが大祐には、どうやらこの町から出るという発想はなかったようだ。
「もしね、まぁゆが別の所に行きたいなら僕は全然構わないよ。
でもそうじゃないなら、お互いここが通勤やら何やらに便利って
選んだんだから、ここでいいんじゃないの?」
言われてみると、至極当然だと思われる。
だから真友子も、素直に頷いた。
「そう言われると、その通りね。
じゃあ、今夜の内にネットで物件を見繕っておいて、明日は不動産屋さんに行ってみようか」
うん。
笑顔で頷いた大祐と向かい合い、「いただきます」と声を揃える。
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