19 大作戦の裏事情(つづき)

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しかし、恋人間のスパイスは、別のスパイスも呼び込むものなのかも しれない。 「ねぇ、大ちゃん。新居に引っ越すまでの間だけど、どうする?」 それは、単純に現状を口にしたに過ぎなかった。 しかし、玉ねぎとジャガイモの味噌汁を一口飲んで尋ねた真友子に、 大祐はポカンとした顔を向けてくる。 「どうするって?」 「ゴールデンウィーク明けくらいまでは忙しくなることもないだろうから、 私は引っ越しまでここで一緒でも構わないんだけど。 でもそうなると、大ちゃんのアパートの家賃は、もったいないのかなとも 思うし……」 だが、そう言ってブリの身を一口摘まみ上げた真友子は、思わず心の中で首を傾げた。 あれ? 目の前の大祐は、視線を俯け茶碗を手にしたまま、明らかに考え込でいる。 しかし、振り返ってみても、今の言葉の何が彼の地雷だったのか真友子には 思い当たらない。
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