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いつも大きな和みを与えてくれる大祐の天然さは、時として混乱と困惑を招くことを、真友子は知った気がする。
そして今、まさにそのど真ん中を彼女は彷徨っていた。
土曜の夕食の後も、その翌日の日曜日も、大祐の機嫌が特に悪いということはなかった。
現にネットで新居の物件を探すのも、実際に見学に行くのもむしろ楽しそうだったと思う。
しかし彼は、金曜の夕食時の宣言通りに、月曜の朝マンションの玄関を出て
いく時に、こう言った。
「じゃあ、今週はアパートに戻るね。
で、金曜はお泊りデートしたいんだけど、いい?」
うん。
デートに否やはなく、真友子も頷く。
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