流れ流れて

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流れ流れて

「こら、優刀! また寝とるんか! お前は一日に何時間寝れば気が済むんじゃ!」 「そう怒鳴るなよ、住職さん。 俺だってこう見えて色々と忙しいんだよ」 「馬鹿者! どこが忙しいんじゃ! 境内の掃除もろくにせんで、何もする気がないなら出て行け!」 「出てけって言われてもね。 親父が俺をあんたに預けたんだろ? そして、あんたはそれを引き受けた。 まぁー別に、俺は出て行っても良いんだけどね」 「うぅー、上げ足を取りおって。 とにかく、ここにいる限りは掃除ぐらいしろと言っているだろうが」 「はいはい、もう耳にタコが出来るぐらい聞いたわ。 あ、でも今日は無理だ。 用事があるんでね」 「用事? お前に用事なんて何も、、、」 「あらよっと。 住職さん、線香と花ちょっと貰ってくぜ」 「ちょっと待て。 まだ話は終わっとらんぞ」 あるのどかな町の、小高い山の上にある一つの寺。 その山門から続く長い階段を一人の少年が駆け降りる。 「たく、あやつは。 はぁー、あいつの親父はあんなのではなかったのになぁー」 肩を落とし呟く老人。 老人の名は風間遠流(かざまえんりゅう)。 この寺、鳳凰寺の住職である。 「あやつも今年で17歳。 私の元に来てもう10年になるか。     
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