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丸々と太ったその容姿から丸と呼んでいるが、声を掛けたにも関わらずニャーと鳴くこともなくチラッと優刀を見ると丸はまた寝た。
「相変わらず愛想がねーな。
あ、そうだ。」
思い出したように、ズボンのポケットを漁ると小袋が一つ出てくる。
「ほれ、俺のおやつだが、お裾分けだ」
小袋から取り出したのは、にぼし。
いくつか手に取ったにぼしを寝ている丸の前に置くと、「じゃーな」と、別れを告げ再び歩き出す。
「ふんふんふん♪
お、ポリス。」
ポリスとは、矢島と書かれた表札が掛けてある家で外飼いされている柴犬で、本当はシバと言う名前だった。
ポリスは優刀が勝手に呼んでいる名前で、この家の番犬ということだけでつけた。
「どれ、今日もしっかりとお勤めしてるか、、、」
「ウゥー、ワン!ワンワン!!」」
シバを触ろうと手を出すと、牙をむき出し吠えてきた。
「おー、さすがポリス。
お勤めご苦労様!」
シバに敬礼すると、吠えられながらまた歩き出した。
そのような感じで、のらりくらりと歩いていくうちに、墓地が見えてきた。
「おじゃましまーす!」
元気に挨拶をしながら墓地に入った優刀は、どんどん墓地の中を進んでいく。
そして、一つの墓石の前に立つと、花を添えた。
続いて線香をあげようとするが、急いで出てきたため、火をつける物を忘れた。
「あ、いっけねーや。
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