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お前は能無しだからスパイなんてできないだろう。そう突っ込みを入れたね?
大丈夫、僕自身が無能でも諜報活動はできる。まず、この世界には【記録石】と呼ばれる、まあ一種の盗聴器のようなものがある。【記録石】は盗聴器のように物音と画像を記録し、魔導波によって魔王城の屋上に生えている偽装草、これがアンテナの役割を果たして僕の手元まで情報が届く仕組みだ。
因みに僕の使っている魔導波の周波数は43マルツ。魔族が好んで使う周波数は、4、6、9、42、44、45、66、69ということが多い。魔族によっては108を使う人物もいると聞くが、僕の周囲にそういう周波数を使う勢力はいない。ああ、あと、69は見なかったことにしてくれ。
当たり前だが、記録石は石なので自分で動くことはできない。そこで僕は黒猫を1匹購入し、使い魔として手懐けた。なかなか優秀な奴なのだが好奇心旺盛すぎて、何かあると必ず1歩前へ出ようとする。チェレンジ精神は買うが、状況によっては危ないので控えて欲しい。
とにかく、その黒猫ビッグ・マルが魔王城の内部へと潜入した。
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