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翌日、会社に出社してきた勝又はさっそく俺のところにやってきて、昨日の店の事を話してきた。
勝又はあの味がかなり気にいり、今日も寄ると言い出した。
俺は予定があるからと断ると、不満げな顔をしながら一人で行ってくると言った。
誰かを誘えばいいと言ったが、勝又曰くあまり知られたくないらしい。
穴場のままにしたいようだ。
そもそも今夜はやっているかわからないというのに、電車に乗ってわざわざ行くなんてご苦労なことだと思った。
ただ、確かにあの煮込みは美味かった。
それから勝又は毎日仕事が終わると、あの店に行っているようだった。
会社に出社するたびに、勝又から同じ言葉を聞く。
「あの店の煮込みはマジ最高」
さすがに食べすぎだろうと忠告しても、勝又は聞く耳を持たなかった。
俺は、ラーメン屋の大将の言葉を思い出していた。
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