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少ししてラーメンが完成し、俺たちのテーブルに運ばれてきた。
大将は沈黙したままで、俺たちも黙ってそれを食べた。
ラーメンの味は普通だった。
会計を済ませて店から出ようとした時、大将に呼び止められた。
大将は食器を片付けながら、
「やめときな。あそこは中毒になる」
俺たちのことを見ることなく、そう言った。
「中毒になるほど美味いってことかよ!」
店を出た勝又は酒が入ったことで、さらに暑苦しい奴になった。
俺は大将の言葉を忠告と受け取り、店が閉まっていたことを安堵した。
「食いてぇーな。また来てみような」
「今度は一人で来いよ」
「そんなこと言うなよ」
シャッターの閉まった商店街を、俺たちは駅に向かって歩いていた。
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