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勝又は美味い、美味いと言いながら、ペロリとすべて平らげた。
酒もかなり飲み、勝又はべろべろになっていた。
値段はかなり安かった。
俺は勝又を抱きかかえるように立ち上がった。
暗い脇道の向こうから、酔っ払いらしき男がフラフラと体を揺らしながら、こちらに向かってくるのが見えた。
「ありがと~う、ございま~した。また、お待ちして~ます」
独特なしゃべり方で、男は片手で鍋をかき回しながらニッタリと笑って手を振った。
またお待ちしてます。
まるで俺たちがまた来ることがわかっているような言い方だった。
結局、泥酔した勝又を電車で帰すことはできず、駅からタクシーで帰ったのだった。
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