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雄大さんに、顔をまじまじと見つめられる。
「あの人はこんなに近付かせてくれないだろうな」
「ちょ、近すぎますって!」
お互いの鼻先が掠りそうなくらいまで近付かれて、思わず雄大さんの手を振り払う。
「すいません、つい。でも近いです」
「なんで男同士なのにそんな警戒するかな。もしかして、俺の事、好きとか?」
は?なわけねーだろ!
「・・・なーんか、涼太見てると虐めたくなるなぁ」
雄大さんの両手で両手首を掴まれ、履きなれないヒールで足元がグラつく。
「おっと、危ね」
体制が崩れたオレの腰に、雄大さんの手がまわって体が密着してしまった。
「涼太、抱き心地までいいじゃん。あの人とそっくりだし、なんか、変な気起こしそーだな」
「っ!ふざけないでください!もうこのまま帰ります!離してください!」
「ハイハイ。コケないように帰れよ」
パッと手を離して雄大さんは会議室から出て行った。
なんなんだよ、も~!
オレも帰ろう。もう18時じゃん。青、昨日は泊まりだったし家で寝てるな・・・。
よし、帰ってソッコーで着替えよう。青に女装姿を見られる前に。
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