目と鼻の先

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「どした?入んねぇの?」 「こんな堂々と手繋いでても、変な目で見てくるヤツらがいねぇなんて。このまま帰るのもったいねぇな、と思って」 そういや、男同士で手繋いでんのに誰も見てこなかったな。 「・・・もうちょいなら、付き合ってやってもいいけど・・・」 オレがそう言うと、青が嬉しそうに顔を寄せてくる。 「キス、していい?」 ・・・まあ、このカッコなら誰もオカシイと思わねえか。 「うん」 オレの唇についたテカテカを青が袖で拭って、そっと唇を重ねてくる。 「う、んんっ」 ちょ、キスしていいとは言ったけど、舌を入れていいなんて言ってねえ! ヒールに高さがある分、いつもより青が近い。同時にその不安定さがいつもよりも足元を覚束無くさせる。 「ふ・・・う・・・」 「涼太。やっぱ帰るぞ」 「え・・・」 急に帰ると言い出した青に手を引かれて、マンションの中へ入る。 この後、青のとんでもない変態ぶりを目の当たりにするなんて、オレはまだ知らなかった・・・
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