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帰ってきた文章に対して、また声が漏れる。慌てて口を押さえ、隣に立ってた人をチラ見してしまった。良かった、イヤホン付けてる…。
再びトーク画面へ視線を戻すと、ごめん忙しいかな?と様子を伺う発言が続く。啓太としては、作業を進める為にも早いほうが有り難いんだろうな。別に予定も無いし、まあいっか。
『大丈夫。仕事終わり向かうわ』
『ほんと?!いいの?!あおちゃんありがとう!』
続いて押される可愛いうさぎのスタンプ。それに対し、俺も三国志のスタンプで返事を返す。正直俺のスタンプは意味わかんないけど、気持ちは伝わるだろ。
そこでちょうど電車がホームに入ってきたので、スマホの画面を暗くしてやり取りは終わった。
◆
仕事帰り。啓太の地元駅で待ち合わせをして、今日はラーメンを食ってからマンションへと向かった。三日ぶりの啓太の部屋は、この前きた時よりも荒れていた。地面に布きれが散乱していて、割と…いや、結構酷い。
朝方まで作ってて、ごめんね!と布を寄せ集めて端へと追いやってるが…それ、使うのとゴミ混ざってんじゃないのか…大丈夫なのか…?
「はい、これ!」
出来上がった衣装はハンガーにかけられて退避されていた。
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