11 初めてのスタジオ

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 椅子に座って10分程度、レイヤーよりも大きな荷物を引っ張るおっさんが入ってきた。啓太もなかなか荷物が多いと感じたけど、それを越す荷物の多さ…あれは全部機材とかなのか…?カメラマンって大変なんだな…。  俺がじっとそのおっさんを見ていたのに気付いたようで、向かいに座ってた啓太もそっちへ視線を向ける。それからすぐに立ちあがると手を振った。 「まーやんさ~ん!」 「ああ、ケータ君!」  俺が眺めてたおっさんがこっちへと歩いてくる。相手も啓太に負けず劣らずのふわふわした笑顔を浮かべていた。  荷物に意識が行ってたけど、真横まで来たおっさんは中々にデカイ。啓太並の身長に無精髭、黒縁眼鏡。髪は短いから髭はあっても汚くは見えない。年は俺たちよりも一回りは上そうだ。 「時間早くないですか~?」 「うん、乗り換え上手くいったからね。早めに着いたよ」 「荷物も多い~!とりあえず座ってよ!」  啓太が移動して元々座っていた席、俺の前の席へおっさんを座らせる。反対側から回ってきた啓太は、俺の隣へと座った。 「あおちゃん、この人が今日撮影してくれるまーやんさんだよ」 「初めまして、まーやんです。よろしくね」 「よ、よろしくお願いします…!」 「で、この美人が俺の自慢のミレイユ、蒼井くんだよ」 「蒼井です。よろしくお願いします」 「こちらこそよろしく。すごいね、男の子だって聞いてたけど…え、本当に男の子だよね?」 「えぇ、まぁ…」     
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