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「調整掛かるだろうから、ゆっくり行っておいで」
「ありがとぉ、あおちゃんは?大丈夫?」
「俺は平気」
「そっか。じゃあ行ってきま~す」
適当に自分の荷物を端に寄せた啓太は、また慌ただしく黒ホリスペースから出て行く。いつもテンションが高いやつだけど、今日はいつも増して高い。
好きなことをしてるからなのか…全力で楽しんでいる姿を見れば、思わず頬が緩んだ。
「蒼井君はさ、ケータ君と長いの?」
「まぁ…そうですね、幼なじみなので」
「あれ、そうなの?!じゃあ、君が…?」
「え?なんですか…?」
「あ~…ううん、何でも無い。それにしても、あんな楽しそうにしているケータ君見るのは久しぶりだよ」
思わず、機材のセットをしているまーやんさんを見つめてしまった。いつでもあんな風に楽しそうにしてるのかと思ってたけど…そういうわけじゃ無いのか…?
俺の視線に気付かないのか、デカイ布を被せた様な四角い照明をスタンドの上へ固定しながらまーやんさんは続ける。
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