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「彼、イケメンな上に良い人じゃない。そのせいで、どの合わせ行っても人間関係つらそうでさ…主に女の子関係でね。俺、ケータ君がコス始めた当初から彼を撮影してるから、可愛い弟分みたく見えちゃって。きついだろうなぁって合わせは、なるべく顔出してあげてたんだよ」
「そう、なんですか…」
「うん。あ、蒼井君そこ立ってもらえる?」
セットが終わったのか、ホリの真ん中を指さされる。
指示された通りに立つと、まーやんさんはカメラを構えてこちらを覗き込んだ。
「ストロボのチェックだから楽にしてて良いよ」
「は、はい…!」
「今回なんて嫁って豪語してるキャラクターと合わせでしょ?どんな子くるのか心配してたんだけど、君で良かった。ケータ君、蒼井君のこと大好きオーラすごいし、ずっと楽しそうだし。今日は良い写真撮れそうだ」
カシャっとシャッター音がして、後ろからピピピとストロボっていうフラッシュを焚く機械が電子音を上げる。それが定期的に続くんだけど、告げられた言葉が恥ずかしすぎて…俺は前を見れそうに無かった。
口元を押さえて目を逸らす俺を見て、まーやんさんがカメラから顔を上げる。
「おや~?照れてる?」
「う、煩いです…!」
絶対に顔が赤くなってる…!照れてるのを隠すように声を荒げたら、逆に笑われちまった。
楽しげにしてるまーやんさんと、ひたすら恥ずかしがってる俺って所に戻ってきた啓太が不思議そうにしてたのは当たり前だろう。だからって、絶対に説明はしてやらなかったけど。
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