11 初めてのスタジオ

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「う~ん…やっぱり、高低差あった方が良いかなぁ…蒼井君、しゃがんでみてくれる?」 「はい」  何パターンか撮影してから、まーやんさんが突然そんなことを言い出した。言われた通り啓太の足下にしゃがむと、剣を構えろと指示される。  しゃがんで構えるってどうしたらいいんだ…?必死にイラストを思い出す俺の頭上からあおちゃんと聞き慣れた声が降ってくる。 「片方の膝を突いて、もう片方を立てて」 「なるほど」 「そうそう。で、剣構えてみて、ミレイユだから両手持ちだね」  いくら軽い素材で作ってるからと言っても、両腕を中途半端な位置でキープするのはそれなりにつらい。プルプルと震えながらもポーズをとると、程なくしてシャッターを数回切られる。  画像を確認している間だけでもと剣を下ろして一息ついていたら、今度は向かいからうなり声が上がった。 「蒼井君、もっかいポーズとってもらえる?」 「はい…」 「あー…もうちょい腕あげれる?…オッケー!後、上半身をもっと正面向けれる?」 「正面…?こんな…?」 「もーちょい……うん!その体勢!後顔作ってね、引きつってるよ」  はい、撮るよ~と言われ、必死になって顔を作る。3人も居るのに全員が黙って写真を撮ってるなんて、異様な光景だ。     
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