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有り難い提案に、深々と頭を下げる。これで実家に帰るんじゃなくて良かった…遠方の人って、帰りキツイだろうなぁ…。
◆
「かんぱ~い!」
啓太の声に合わせて、ビールグラスをぶつけ合う。
とりあえずで頼んだ生ビールを呷れば、いつにも増して最高の喉ごしがした。半分ぐらいを一気に飲んでからグラスを置くと、隣に座っていた啓太がニヤニヤした顔でこっちを見ていた。
「どお~?撮影終わりのビールってサイコーでしょ~?」
「ああ…確かに、すげーうまい」
「金夜の仕事終わりも美味しいんだけど、やっぱコス後に飲むのが格別なんだよねぇ」
「開放感と達成感があるんだろうね。後、単純に疲労もピーク」
向かいに座っていたまーやんさんが、タブレットを弄りつつ啓太の疑問へ回答する。この人も俺たちと似たような楽しげな表情を浮かべていたから、同じ気持ちなんだろう。
「確かに!仕事より疲れるのは確実だよねぇ…」
「啓太は寝ずに準備してきたんだろ?ちゃんとゆっくり寝ろよ」
「え…あおちゃん、俺のこと心配してくれるの…?」
「そりゃぁ、まあ…」
「あおちゃん…!すき…!大好き…!」
勢いよく抱きついてきて、体が傾く。慌てて手を後ろについて倒れる事はなかったけど、遠慮無い抱きつきには驚いた。
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