15 そして、イベントの日*

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 特にすることもない俺は、その場に座って辺りを見回す。入り口では肌色率が高かったが、こっちは意外と男装をしている人も多いんだな。ジャンプで連載中の漫画のキャラとか、煌びやかな男性デザインの衣装を着ている人が目に付く。俺と同じように周りを見ている人も割といて、そういう人の視線を感じたりもする。  なんだか慣れない境遇に落ち着かない俺とは違って、啓太はいつも通りマイペースに速報なんかをツイートし終わると鞄を漁り始めた。  そして出てきたのは、一眼レフカメラ。お前、そんなカメラ持ってたのかよ…驚く俺に構わずレンズカバーを外すと、覗き込んで俺に照準をあわす。 「お前…カメラいじれるの?」 「うん、それなりに写真は撮れるよ~。ストロボとかは挑戦したことないからわかんないけど、いずれは使えるようになりたい!」  試し撮りと言いながら、座っている俺の前で胡座をかき何回もシャッターを切る。  イケメンが…イケメンなのに…その行動にとんでもないギャップを感じて、もやっとするのはなぜなんだろうか…。 「あおちゃん座り方気をつけてね?いくら露出対策してるとは言っても、パンツ丸見えで座るのはいただけないよ」 「あ、すいません」  慌てて抱えていた膝を倒す。体育座りなんかしてたから、確かにパンツ丸見えだったわ・・・!普段スカートなんてはかないから、そこまで気が回らない。短い裾で引っ張って隠すようにしてみたけど、あんま意味は無かった。     
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