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良い人と悪い人の差がよく分からんが…とりあえず水を飲もうとビニール袋を漁っていたら、再びすみませんと声をかけられた。
またか…うんざり気味に顔を上げて、息が止まる。目が合ったのは、同じソシャゲのキャラのコスプレをした女性だった。しかも、その顔に見覚えがある。
数秒遅れて振り返った啓太も、あ、と声を漏らしたまま固まった。
「やっぱりケータだ!久しぶり~!」
予想は的中、相手は俺が嫁キャラを着る要因を作ったっていうあのメンヘラ女。
媚びるように笑う態度は、俺と目が合った時とはまるっきり別人だ。にこにこと笑顔を作っているが、啓太越しに俺を見る目は笑ってなくって…品定めされてる感が凄い。あからさまな姿に開いた口が塞がらない。
「LINEもツイッターもあんま構ってくれないし、寂しかったんだよ~、何してたの?」
「あー、えーっと…、まあ、色々ね?」
「ケータが主人公するって言うからさぁ、ジャンル被せてきちゃった!ね、今度私もミレイユするから合わせしよーよ!」
「えっと、ごめんね、俺、この子と一緒に活動してこうと思ってるんだ」
「…は?なんで?意味分かんないんだけど…?」
「あーーー…ごめん、あおちゃん、ちょっと外しても大丈夫?」
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