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「うわぁ?!」
勢いのまま後ろへと倒れる。後ろに控えていたのがベッドで良かった…すごい痛くないけど、まあまあは痛い。
顔をしかめながら目を開ければ、腰に抱きついている啓太の姿があった。いつも通りヘラっとしてるんだけど、目が据わってる。
「お前なぁ、危ないだろ」
「ふふふ、あおーちゃん、久しぶりだねぇ」
「だめだー、話し通じない」
腹に頬ずりしている啓太は、嬉しそうに上へとよじ登ってきた。俺の頭が啓太の肩口に納まる程度まで上がってくると、腕が回ってきて抱き寄せられる。
「お、おい…?!」
俺の声なんて聞こえてないんだろう…力任せに体を反転させて、枕の位置までやってきたら、満足げに笑った。
「かわいいなぁ~、あおちゃん。ほんとすき」
二回連続でつむじにキスをした啓太は、そこまでで動きが止まる。すーすーと穏やかな寝息を立て始めて、完全に寝落ちだ。
「ったく…仕方ないやつ」
顔を上げて啓太に視線をやれば、だらしなく口を開けて寝ていた。
なんだか可愛く思えた幼なじみの顔を、眠りにつくまで見続けてしまった。
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