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朝LINEで見た通り、綺麗な作りの真っ白い軍服を受け取る。とりあえず裸になって着ればいいのか…?俺の疑問は言わなくても伝わったらしく、肌着は着てて大丈夫だよと返された。
いつもの位置へ鞄を置き、一番荒れていないベッドの上に非難する。スーツを脱ぎ捨てネクタイを抜き取る。インナー着っぱなしだから、今日はちゃんとYシャツのボタンを外して脱いだ。それから受け取ったばかりの上着に腕を通し、前を留めた。
「ちゃんとくるみボタンとボタンホールで作ったんだよぉ~」
「大変なのか?」
「大変じゃないけど、めんどいかなぁ。いつもはマジックテープとか安ピンにしちゃうんだけど、あおちゃん着てくれると思って張り切っちゃった」
「言ってたな、張り切ったって」
「うん!なんたって嫁だもん!」
向かいの床に体育座りをして見学していた啓太は、ほんのり頬を赤く染めながら嬉しそうに笑う。啓太が作ったのを着てるだけなのに、ここまで喜んでもらえると…俺まで少しだけ嬉しくなる。
ボタンを全て留め終え、スラックスを下ろす。俺の足下に並んでいるのは、布きれのようなプリーツスカート…これ、穿くんだよな…。手に持って広げてみたら、頼りなさ過ぎる布面積だ。だけど、この白いのの奥から期待に満ちた視線も感じる。
とうとう女装の第一歩を踏み出すのか…ゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込むと、意を決してスカートに足を通した。
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