1 幼なじみはコスプレイヤー

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「おちんちんどうするかは周りにも相談しとくから!俺は主人公予定なんだぁ。上の軍服は同じだし、型紙使い回せるよね。う~ん、あおちゃんだと…うん、ちょっと詰めて作ってみる!簡単簡単!」 「いや、え、…えっ?」 「身長差もちょうど良いよね!あおちゃんミレイユ絶対似合うよ、すごい楽しみだなぁ!あ、日付は来月末の土曜日なんだけど、空いてる?」 「空いてるけど…」 「よし、決まり!合わせの予定入れといてね!衣装とウィッグは俺で用意するよ、目は青だよね?ワンデーのカラコンは余ってたはずだから、それあげるね。あとは靴か~、ブーツカバー作るけど、元の靴はやっぱあおちゃんのがいいかな。ブーツ持ってる?あ、あと、靴のサイズ教えてくれる?」  とんでもない事を了承してしまった。  そう気付いた時は遅すぎて、啓太は嬉々として話し始める。正直こいつが何を言っているのか、半分も理解できない。  それでも、楽しげに話している啓太を見ているとこっちまで嬉しくなってきて…まあいっか、と感じてしまう。こいつには、元々そういう雰囲気にさせる力があるんだよなぁ。  泡がすっかり消えきった生ビールを飲みながら、久しぶりに味わう幼なじみと過ごす時間は、やっぱり俺にとって居心地の良いものだった。
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