10 無自覚

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 持って3日。金曜に会って泊まって、日曜に別れたはずなのに水曜には無性に啓太に会いたくて仕方なくなってた。昔なら隣に住んでたからすぐに顔を見れたってのに、なんで都内なんかに引っ越しちまったんだ…ぐるぐると落ち着き無く部屋の中を歩き回って数分。我慢できずに、気付けばスマホは啓太への発信ボタンをタップしていた。  プププ…という接続音を聞きながら、なんて言おうか考える。考えなしに架けていた電話だ、まずは用件を作らなきゃ…そう思っていた矢先、ワンコールの後に電話は繋がってしまった。  驚きで声を詰まらせる俺に、スマホ越しから俺の名前を呼ぶ啓太の声が聞こえる。なんかもう、それだけで落ち着いた。今までそわそわしてたのが一気に落ち着いて、思わずその場に座り込こむ。 「あおちゃん?あおちゃん、どうしたの?大丈夫?」 「…ごめん、大丈夫」 「あおちゃん、今家?」 「え?ああ、そうだけど…」 「分かった。ちょっと待ってて」 「え?」 「そっち行く」 「え…?!」 「1時間もしないで着くと思う!」 「いや、待て、時間が、」 「大人しくしといてね!」  強めに言われて一方的に電話を切られる。一瞬何が起きたのか分からなくって呆然としたけど…慌てて時間を確認してみれば、既に時刻は23時すぎ。こんな時間からこっちにくるんなんて、行きの電車はあるだろうけど帰りの電車はないはずだ。     
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