10 無自覚

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 文化祭の大道具を作ってるみたいで楽しい。1K8畳の部屋でやるには中々スペース的にキツイ所もあったけど、形になってく剣とかを見るとテンションも上がる。それに、武器を作るっていう理由があるから、気軽に啓太のマンションにこれた。これも、俺のテンションが上がる要因の一つだろうな。 「あおちゃんってさ、土日で暇な日ある?」 「いつでも暇だぞ」 「今週…は塗装間に合わないか。来週の土曜日あたりにスタジオ行ってみない?」 「スタジオ?」 「うん、当初は来月末でお願いしてたけど…その前に、綺麗な写真撮影してもらいたいなって思って」 「俺は構わないけど…それって、誰かに撮ってもらうってことか?」 「うん、知り合いの男性カメラマンさんがすごく良い人でさ、写真も上手いんだ。その人にお願いしてみようかなって」 「でも…女装だぞ…?」 「?女の子だって男装してるよ?」 「いや、見た目の綺麗さが違うだろ…」  不思議そうにしている啓太に、引きつった顔で返す。あおちゃんは可愛いよ!といつも通りの返しの後に啓太はスマホを手に取った。ツイッターを開き、DMのボタンをタップ…って、もしかして連絡取ろうとしてるのか…?! 「まーやんさんって人なんだけど、そーゆーの気にしない人だよ。お世話になってる人だから、あおちゃんにも紹介したいっていうのもあるんだぁ」 「あの日本刀の写真撮ってくれた人、とか?」 「え?あーうん!そうそう!写真綺麗でしょ~、早速聞いてみる!」 「スタジオねぇ…」     
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