11 初めてのスタジオ

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「ああ…そうだったな」  今日までにコスネームを考えておいてねと啓太に言われていた事を、今思い出した。確かに本名じゃまずいだろうし…だからと言って、これと言った名前も思いつかない。  ゲームする時に入れる名前だって、決まってアオイだった俺が、ぱっと思い浮かぶはずもないし…啓太も自分の名前なんだ。俺もそれで構わないんじゃ無いのか…? 「う~ん…面倒だし、アオイで良いよ」 「俺的には呼びやすいからとっても有り難いんだけど…本当に名前変えなくていいの?」 「えー?…じゃあ、漢字変えるとか?」 「おお!じゃあさ、苗字っぽくしてみたら?」 「苗字?苗字ねぇ…」  手にしていたスマホに、あおいと入力、変換をタップ。一覧に出てくる漢字を眺めていると、啓太が肩口に顎を乗せて後ろから一緒に覗いてきた。 「あおい…蒼井は?どう?」 「じゃあそれで」 「え?!そんな即決で良いの?!」 「そこまで悩むようなことでも無いだろ」  実際、今日は名刺を用意してないから口頭でしか名前を伝えない。名前も決まった所で、荷物をロッカーにしまい、カメラマンと待ち合わせをしてるっていうカフェスペースへと向かった。     
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