12 そう言う事

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12 そう言う事

  「あおちゃん、歩き方なんか変だよ…大丈夫?」  靴を脱いで上がるタイプの居酒屋の入り口、下駄箱に靴をしまってる俺をじっと見つめていた啓太が、心配そうに眉を寄せていた。  同じ下駄箱にしまう啓太のために一歩引いて場所を譲るんだけど、どうにもさっき撮影でとったポーズのせいで体が痛い。  痛めたとかじゃなくて、これは確実に筋肉痛の痛さ…普段絶対に使わないような筋肉を酷使した結果がこれとは…戦うキャラクターをメインにコスプレしてるレイヤーって変な所の筋肉凄いんじゃ無かろうか。 「筋肉痛…啓太は痛くないのか…?」 「俺?ん~…腰と二の腕はちょっと痛いかなぁ」  こいつはしゃがむよりも立って剣を構えるポーズが多かったから、そうなるのかもな。どっちにしても、二次元キャラがとるポーズは腰にとんでもない負担がかかるのは頷ける。  内太ももを中心とした痛みだったけど、話しを聞いた途端に腰も痛くなってきた…。げんなり顔で腰を擦っていたら、下駄箱の鍵を引き抜いた啓太が苦笑を浮かべた。 「今日泊まってくよね?帰ったら、お風呂沸かそっか」 「ああ…それだ、湯に浸かりたい…」     
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