14 不安と

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14 不安と

   突然の告白によって、幼なじみだった俺たちは恋人同士になった。  直前の飲みで気付かされた気持ちを整理する暇も無く…思わず俺も好きかもって返して、気付けば風呂場でセックスまでしてて…。  付き合って速攻流されてヤっちまったけど…正直、あれは自分でやるのと比べ物にならないほど気持ち良かった。  男同士なんて有り得ないと思ってたけど、啓太だけは別だった。すでに友達のラインを越してた状態だから受け入れられたってのもあるけど、まずラインを超えるっていうのは啓太しか有り得なかったと思う。  一緒に過ごした二日間はなんかふわふわしてて、正気じゃ無かった。  自宅に戻って、いつも通り仕事に行って…帰りの電車の中でやっと冷静さを取り戻し始める。こんな事になって本当に良かったのか、俺は本当に啓太のことが好きなのか…。  暗くなっている外を眺めながら、そんな事をぼんやりと考える。  今までの経緯を思い返していたら、もしかして告白されるよりも前から、無意識のうちに啓太の事を好きだったのかもしれないって所まで辿り着いた。  それがいつからってのは分からん。だけど、一緒に過ごした学生時代は毎日充実していた。     
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