5 グッバイXXX*

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5 グッバイXXX*

  「あおちゃん、善は急げだよ!」  めちゃくちゃ真剣な表情でそう言ってきた啓太は、真新しいカミソリの箱から取り出すと、俺の手へ握らせてきた。  カミソリっていっても、ひげ剃る用の簡素なヤツじゃ無くて、女性のむだ毛処理用のあれ。刃先の周りに白いのが装備されてる、あれ。  嫌な予感に後ずさるけど、俺よりもデカい啓太に両肩を掴まれると、そのまま脱衣所まで連行される。  風呂場のドアを開けて、給湯つけて、シャワーを出して、とりあえず風呂場のドアを閉める…って、確実に風呂に入る準備されてるよな…?! 「大丈夫。助けが必要になったら、いつでも呼んでね」  しっかりと目を見つめて言い切ると、無情にも閉められる脱衣所のドア。一人取り残されて、呆然とする。普段は俺に合わせることが多いくせに、突然強引になる幼なじみ。  嫌なら従わなきゃ良いし、毛だって今剃る必要がないんだが…やっぱり、断り切れない自分もいる。  さっき、自分の馬鹿さ加減に気付いたはずなんだけどなぁ…。なんか良いにおいのするカミソリを持ちながらため息をついた俺は、渋々風呂場へと足を踏み入れた。     
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