6 ひみつのとっくん*

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6 ひみつのとっくん*

   脱毛中に乱入してきた啓太に手コキされた後…あの後が、とんでもなく大変だった。  イった後に正気が戻ってきた俺は、恥ずかしくて顔も見れない、もう会えないかもしれないなんてことを考えていた。  手早く体を洗い、先に風呂から出る。  なんて言おうか…水をがぶ飲みしながら悩んでいたら、物音と共に風呂から上がった啓太が顔を覗かせてきた。  目が合い、何か言わないと口を開いた俺だったけど、それよりも先に視界から啓太が消える。次に聞こえたゴン!!っていう鈍い音にハっとして下を向けば、ものすごい勢いで土下座をした。  勢いに驚き何も言えず…ただ見つめるだけしか出来ない。  固まる俺と、腕も綺麗に揃えて土下座姿で固まる啓太。  そして訪れた静寂…。  こいつ、今の勢いのまま頭ぶつけて、脳震盪でもおこしたんじゃないのか…?気まずさよりも心配が先にきて、恐る恐る声をかければ、ビクっと大袈裟に相手の肩が揺れる。  それから、地を這うような声で、申し訳御座いませんでした…と聞こえてきて…。  啓太なりに反省をしてるし、流された俺だって悪いし…大丈夫だと何度言っても頭は上がらなかった。     
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