お前は何を望む

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 こんにちは。どうもお待たせしましたー。本日面接担当させていただきます強莉(ごうり)と申します。それでは、履歴書拝見しますね。  ほうほう、お名前はこれ……ばく…でいいのかな? はい、漠さんね。  以前のお勤め先は……あぁー、けっこう遠いんですね。こちらにはもうご引越しされて? あ、まだ向こうにお住まいなんですか。じゃあ、今日はわざわざお越しいただいたというわけなんですねー。日帰りされるんですか? あ、別に答えなくていいですよ、プライベートの話ですからね。ははは。  で、お持ちの資格はと……、縁結び五級、と。あとは? ほうほう……うーん、まあ、それはいいです、説明しなくて。わかりますので、はい。そちらはとりあえず置いといてですねえ……。そうかぁー。これだけですかー……。  いやね、ここの神社って、かの菅原道真公を奉っているわけですよ? 最低でも学業二級くらいはお持ちの方にお務めいただきたいなと思っておりまして。それでないと、足を運んでお賽銭や御寄進いただく人たちにも失礼と申しますか、ねえ。  あ、いえいえ、縁結びには一定の需要ありますよ。御参拝客の中には、そういうご祈念されていく方もいますしね。畑違いですけど、ははは。それでも五級ってのは、どの神社行ってもちょっと厳しいんじゃないかなー。や、わたしも正確に把握しているわけじゃないですけどね、今の縁結び業界の事情は。  ともかく、漠さんのスキルでは、ここでのお務めはちょーっとミスマッチなんじゃないですかねー? 申し訳ないんですけどね、ほんと。  あ、はい。履歴書の返却をご希望で。ではこれ、封筒、ちょっとやぶけちゃいましたけど、いいですかね。
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