【怖い商店街の話】 骨董品屋

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【怖い商店街の話】 骨董品屋

地元の商店街には、変わった骨董品屋がある。 その骨董品屋の主人は、変わった物を集めるのが趣味らしく、店内には見たこともないようなものばかりが売られている。 棚にはどこかの国の工芸品や民芸品が、ガラスケースの中には古い時計や石や古銭が並べられ、店の壁には人物画や風景画が所狭しと並んでいる。 主人は物静かで、いつも店の奥で分厚い老眼鏡をかけながら各国の芸術品の雑誌を読んでいる。 壁に飾られた絵画の間には、大きな振り子時計が飾られていて、振り子の音が響いている。 その骨董品屋には噂があった。 売っているものは、みんな「呪物」だというもの。 買って行った人は不幸になり、再び店に戻ってくるという。 確かに、先日ショーウインドーに飾られていた女性用の革バッグが売れたのに、二ヶ月ほどしてまた同じ場所に戻って来ていた。
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