戦闘力のなかった俺は戦力外通達を貰う

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空き家はこじんまりとした建物で、部屋数が少ないものの入り口から入ってすぐのリビングがやたらと広いお店向けの所を購入した。奴隷も最初は1人だけ購入するつもりなので部屋は蓋部屋あれば十分だし、何よりこの家元々お店をやっていたのか表通りに近い場所に立っていたのも決め手になった。 商人から聞いた奴隷を売っているお店の前まで来ると、客引きなのか知らないがやたらと美人な獣人族のお姉さんが俺に近づいて来た。この国は獣人族は基本的に奴隷しか居ないらしく、彼女の首にもしっかりとした造りの首輪がはめられていた。 「奴隷をお求めですか?」 「あ、はい。予算はこれくらいなんですけど、大丈夫ですか?」 金貨と指の数を見せて伺いを立てる。 「残念、その金額だと私を購入出来ないわね。でも子供の奴隷なら十分足りてるわよ」 自分を買わせる為のアピールだったのか、俺に対して豊満な胸を強調する格好で喋っていた奴隷は興味を無くしたのか元の場所に戻って入り口を指し示す。 「中に奴隷商のご主人様が居ます。子供の奴隷が見たいと言えば中を案内してくださる事でしょう」 俺は硬そうな扉の入り口から中に入り、奴隷商を探す。カウンターに居たのは少し若めの奴隷だったので席を外しているのかな? 「奴隷を買いたいんだが、ご主人様はどこに居るんだい?」 「ご主人様は今、他のお客様との対応していまして。其処のテーブルで少しお待ち下さい」 右手でテーブル席を案内する奴隷。この子は表に居た奴隷に比べるとお胸が小さいが、顔はとても整っていて購入額も高そうだった。 暫くテーブルで待っていると、綺麗な奴隷を引き連れた他のお客様と一緒に奴隷商らしき人物が奥から出てきた。黒のシルクハットに黒い服、マジシャンにしか見えないが、多分彼が奴隷商だと思う。目つきが全然カタギに見えない。 「またのご来店をお待ちしております」 出口で他のお客様と奴隷を見送った奴隷商の男はテーブルに居る俺に振り返る。 「お待たせいたしました、どの程度の奴隷をお探しで?」 「予算はこんな感じなので、子供の奴隷をお願いします」 「かしこまりました、それでは私の後を付いて来てください」 後ろを付いて行き、奥へと入る。入ってすぐの所にはやたらと派手な衣装に身を包んだ綺麗な奴隷が、中程にはカウンターに居た奴隷と同じくらい顔の整った奴隷が居た。さらに奥に進むと、目的の子供の奴隷が居た。
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